ルーチンは「原因」ではなく「結果」である
- 冨樫 耕平

- 6月21日
- 読了時間: 2分

人のパフォーマンス向上に必要なこととして、「ルーチン化」が重要だと言われることがあります。例えば、これまで訪問後に記録を取っていなかった営業担当者が、訪問後に毎回記録を取るようになった場合、その原因を「ルーチン化(習慣化)したからだ」と説明することがあります。
しかし、これは誤った行動の原因分析であり、より具体的には循環論法の一例です。
ルーチン化そのものがパフォーマンスを向上させるわけではありません。ルーチンとは、ある行動や行動の連鎖が繰り返し生じる傾向を指す言葉に過ぎません。
ここで重要なのは、「なぜそのルーチンが続いているのか」という点です。
行動分析学では、人の行動はその結果によって影響を受けると考えます。つまり、ルーチンが維持されている背景には、その行動を維持する結果が存在するのです。
例えば、営業担当者が記録を取らずに帰宅しても何も問題が起こらないのであれば、記録を取らずに早く帰宅する行動が選ばれやすくなります。また、記録を取ることで帰宅時間が遅くなるのであれば、その行動は起こりにくくなるでしょう。
一方で、記録を取るための時間が勤務時間内に確保されており、さらに1か月間継続して記録を取った結果として上司から具体的でポジティブなフィードバックが得られるのであれば、記録を取る行動は起こりやすくなる可能性があります。
つまり、パフォーマンス向上において本当に重要なのは、望ましい行動が継続しやすくなる環境を設計することです。
組織においても同様です。従業員に「習慣化しよう」、「ルーチン化しよう」と呼びかけるだけでは十分ではありません。その行動が続けやすい環境づくりを検討する必要があります。
組織行動マネジメントでは、従業員に「もっと意識を高く持とう」、「習慣化しよう」等と求めるのではなく、その行動を支える環境を設計します。
行動を変えたいなら、まず環境を変える。
ルーチンは原因ではなく、結果として現れる現象なのです。



コメント