パフォーマンスを高める組織は、結果だけを評価しない
- 冨樫 耕平

- 7月7日
- 読了時間: 3分
OBM(組織行動マネジメント)に基づく組織づくりの特徴の一つは、
結果だけでなく、その結果につながる行動にも注目することです。
例えば、発達障害のある子どもに支援を提供する組織であれば、
クライアントや保護者の満足度、支援の成果などを大切にしているはずです。
これは応用行動分析学の実践に欠かせない社会的妥当性であり、
組織として追求すべき重要な成果です。
しかし、成果だけを評価対象にしてしまうと、
職員のパフォーマンスを十分に引き出せないことがあります。
例えば、「クライアント満足度が一定以上であれば、冬にボーナスを支給する」という
制度を導入したとします。
ある支援員Aさんは、質の高い支援を継続して提供していました。
しかし、同じクライアントを担当する別の支援員Bさんは、
十分な質の支援を提供できていませんでした。
さらに、クライアントの都合で支援セッションのキャンセルが頻繁にあり、
必要な支援量も十分に確保できなかったとします。
このような状況では、Aさんがどれだけ質の高い支援を提供していても、
期待した支援効果は得られず、クライアント満足度も高くならないかもしれません。
その結果、Aさんは十分な評価を受けることができません。
このような状況が続けば、Aさんは「質の高い支援を提供しても評価されない」と感じ、
支援の質を維持する努力をやめてしまうかもしれません。
あるいは、自分の努力を正当に評価してくれる組織へ転職してしまう可能性もあります。

この問題は、支援現場に限ったことではありません。
例えば、中古車販売会社で販売台数だけを評価し、
ボーナスや昇進を決める制度を導入したとします。
このような仕組みでは、販売台数という結果だけが重視されるため、
一部の従業員は目標達成を優先するあまり、非倫理的な行動をとる可能性があります。
実際に、そのような事例が社会問題となったこともありました。

このように、結果はもちろん重要です。
しかし、結果だけを評価対象にすると、従業員の努力や適切な実践が見えなくなり、
組織全体のパフォーマンスを低下させたり、
離職や不正行為といった望ましくない結果を招くことがあります。
そこでOBMでは、望ましい成果につながる具体的な行動を特定し、
その行動が生じやすく、維持されやすい環境を設計します。
例えば、目標設定、パフォーマンス測定、フィードバック、コーチング、
業務プロセスの改善などを通して、
従業員が望ましい行動を継続できる仕組みを構築します。
結果は管理できません。
しかし、結果につながる行動と、その行動を支える環境は設計できます。
これが、OBMに基づく組織づくりの基本的な考え方です。



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