なぜ私がOBM(組織行動マネジメント)を学び、実践しているのか
- 冨樫 耕平

- 7月15日
- 読了時間: 3分

最近、このブログでは、Organizational Behavior Management
(OBM:組織行動マネジメント)について書くことが増えています。
「なぜ最近、組織について発信しているのだろう?」
そう感じている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、私がOBMに興味を持ったのは最近のことではありません。
2016年、私はフルブライト奨学金をいただき、
アメリカのWestern Michigan University(WMU)へ留学しました。
留学中には、ABAに関する知識やスキルを深めるとともに、
OBMについても体系的に学びました。
当時、私はすでにBoard Certified Behavior Analyst(BCBA)の資格を取得し、
子どもやご家族への支援に携わっていました。
また、医療、教育、福祉の現場で活動する中で、
クライアント一人ひとりに提供される直接支援の大切さを実感していました。
一方で、その頃から私は、もう一つの重要な課題を感じていました。
それは、「支援を届ける人」と「その人たちを支える組織」です。
一人の支援者や専門職が成長すれば、多くの人の人生に良い影響を与えることができます。
さらに、その人が働く組織がより良くなれば、より多くの専門職が力を発揮でき、
その先には何百、何千という利用者や患者、ご家族、
そして顧客へのより良いサービスにつながります。
しかし、優秀な人材がいるだけでは、組織は成果を上げ続けることはできません。
Rummler & Brache(1995)は、
「良い行動を支持しない環境に優秀な人を置けば、多くの場合、環境が勝つ」
と述べています。
私は、この考え方こそ、多くの組織に共通する本質だと感じています。
どれほど能力が高く、熱意のある人であっても、
その力を発揮できる仕組みや環境がなければ、
高いパフォーマンスを発揮し続けることはできません。
実際に、これまで福祉、教育、医療の現場で活動する中で、
多くの優秀な実践者や専門職が、組織の仕組みや環境によって本来の力を発揮できず、
苦しむ姿を目の当たりにしてきました。
だからこそ私は、OBMを学び、その知見を日本で実践したいと考えました。
帰国後、慶應義塾大学で勤務していた際には、
日本行動分析学会第38回年次大会でシンポジウムを企画し、
テーマでお話ししました。
ちなみに、、、今振り返ると少し恥ずかしいのですが、
当時はOBMを英語でしか学んでおらず、「組織行動学」と訳していました。
その後、日本では「組織行動マネジメント」という名称が一般的であることを知りました。
OBMはABAの一分野であり、人が力を発揮できる環境や組織を
科学的にデザインするための行動科学です。
この考え方は、福祉や教育だけでなく、医療、そして企業にも共通しています。
実際に国外では、OBMを活用し、安全性、生産性、サービス品質、
従業員のエンゲージメントなどを向上させ、
多くの成果を上げている企業やコンサルタントが存在します。
組織が掲げるミッションを実現するためには、
優秀な人材に頼るだけではなく、一人ひとりが力を発揮できる仕組みやプロセス、
マネジメントを整えることが欠かせません。
私は、こうした行動科学の知見が、日本の福祉・教育・医療だけでなく、
企業を含めたさまざまな組織に役立つと信じています。
これからも、このブログではABAとOBMの知見を紹介しながら、
科学的根拠に基づき、人と組織の可能性を引き出すための
情報を発信していきたいと思います。
最後に、私がOBMを学ぶだけでなく、
実際の組織で実践しながら成長を続けることができているのは、
その機会を与えてくださっている組織や管理者の皆様のおかげです。
この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
これからも、生涯にわたり学び続け、
その学びを行動科学の実践を通して、社会に還元してまります。



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